マンションを売却すると、譲渡所得として売ったときの利益分の所得税と住民税が課せられます。マンションの売却を検討されている方は、利益分にかかる税率の計算方法を知って、事前に税金負担分をチェックしておきましょう。税金の支払いをできるだけ抑えておきたいときに役立つ、譲渡所得にまつわるマンション取得費に計上できる費用についてもご紹介します。

■マンション売却時にかかる譲渡所得の税率は?

マンション売却時の譲渡所得の税率は所有期間によって異なり、所有期間5年を境に、「長期譲渡取得」になるか「短期譲渡取得」となるかが決まります。

<長期譲渡取得の場合>
所得税は譲渡所得の15%、住民税は5%
<短期譲渡取得の場合>
所得税は譲渡所得の30%、住民税は9%

所有期間が5年以下か5年を超えているかで譲渡取得にかかる税率が変わってきますが、所有期間は売却時ではなく、売れた年の1月1日が換算日となるため注意が必要です。
つまり、2010年4月1日に購入した物件の場合、2015年の4月1日で所有期間が5年を超えますが、2015年1月1日の時点ではまだ4年9ヶ月のため、所有期間5年以下と見なされ短期譲渡取得として換算されてしまいます。2010年4月1日に購入したマンションの売却時に長期譲渡取得となるためには2016年1月1日以降に行わなければならないのです。

▼譲渡所得とは?

そもそも譲渡所得とは、マンションを売ったときに出る利益のことです。売却益とも言われ、売却額からマンション取得費用や譲渡費用、特例などによる控除額を引いた金額が所得となります。
この所得額には、所得税と住民税が課せられるため、確定申告を行い、税金を支払わなければなりません。確定申告は、売却した翌年の2月16日〜3月15日までに行い、所得税は3月15日までに、住民税は5〜6月頃に各地方自治体から送られてくる支払い書に沿って支払います。税金支払の段階になって慌てないよう、事前に所得税分を利益分からプールしておくようにするのがおすすめです。

■マンション売却時に利用できる軽減税率とは?

譲渡所得の税率が決まる売却年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えている場合には、さらなる軽減税率を適用できる可能性があります。これは、マイホームとして売却した物件に住んでいたことが条件となり、「マイホームを売ったときの特例」と合わせて利用できる特例です。

<課税長期譲渡所得額6,000万円までの部分>
所得税は譲渡所得額の10%、住民税は4%
<課税長期譲渡所得額6,000万円を超える部分>
所得税は譲渡所得額の15%、住民税は5%

▼マイホームを売ったときの特例

マイホームとして住んでいた物件を売却したときには、長期・短期に関わらず、売ったときに出た利益分から最高3,000万円までの控除を受けることができます。正式には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といい、適用にはいくつかの条件があるため、控除を受けられるか内容をしっかりチェックしておきましょう。

■マンション売却価格から差し引くことができる費用とは

譲渡所得額を計算する際、売却価格からいくつかの費用を差し引くことができます。それが「マンション取得費用」と「譲渡費用」です。この他に、マイホームとして売りに出した物件に住んでいた場合の「マイホームを売ったときの特例」なども控除として換算されます。

▼マンション取得費用

マンション取得費用とは、マンションを購入したときの価格に、不動産業者などに支払った仲介手数料・不動産取得税、印紙税などの税金・リフォーム費用などをプラスし、減価償却費を引いた金額のことです。計算式にすると「マンション取得費=マンション購入価格+(仲介手数料+取得時にかかった税金+リフォーム費用)-減価償却費」となります。
減価償却費とは、該当物件を所有している間に生じた傷みなどによって購入時よりも価値が下がっている分の差額金額のことです。所有年数に応じて資産価値が下がっていき、減価償却費を算出する細かな計算方式があります。その計算式に当てはめて、金額を出すのですが、計算自体が難しいため、専門家に相談していくら差し引かれるのかを確認するのがおすすめです。

▼譲渡費用

譲渡費用とは、マンションを売却したときに支払った印紙税や不動産鑑定料、仲介業者へ払った手数料などのことです。譲渡に際してかかった諸費用のことと覚えておくとよいですが、マンションを売却して引っ越しをした場合などの引っ越し費用や新しい住まいの購入費用などは譲渡費用には含まれないため注意が必要です。

■まとめ

マンションを売却すると、売却して得た利益は譲渡所得として、所得税や住民税などの税金が課せられます。その税率は、所有期間などによって変わり、さまざまな特例を利用することで利益分から控除金額を差し引くことも可能です。マンションを売却できても一安心と気を抜かず、税金額もしっかり計算して準備を進めておくようにしましょう。